困った病気になっちゃったひとりぼっちな人のために


by ombres
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ファースト・ケモ(4)

すきっ腹をかかえつつ病院へ。
朝から水すら飲めない。茶飲みな私としては、何より苦痛だ。

胃カメラはもうベテランなので、別に何ともなかった。しかも、ここのカメラは細くて先生も腕が良くて、喉を通ったのが判らないくらいにさっさと入って、さっさと終了。素晴らしい。



…で、十二指腸潰瘍は完治したままで問題なく、ピンクでツヤツヤしていて綺麗だった。表層的な胃炎があるだけ。壁に赤い線が3本ピラピラと見える。

「え、胃炎があるんですか?!」と、仰天すると、
「こんなの誰にでもあるよ。僕だってあるよ」と胃腸科の先生。
そうなのか。じゃ、ケモ中止なんて事にならないだろう。安心。

問題ないとの事で、早速AC。プレドニンとカイトリルをまず飲んで、点滴。私は体が大きいのでAを90mg、Cを950mgらしい。最初に吐き気止めの透明な点滴、途中から先生が注射で一気に赤いのを入れる。冷たい液体が速攻で体内に入ってくるので、結構シュール感を味わえる。で、たぶんバッグに入った透明なCがその後に延々と続いて、45分くらいで終わった。

最初、薬が入って来た時、頭の奥がツーンとするような後ろから引っ張られるような「キタキタ感」があった。しばらく禁煙した後にタバコを吸うと、ニコチンが全身に染み渡るのが判る。それに似ているけど、もっと強烈。しかも、口の中が薬臭くなる。

初体験をしみじみ噛み締める。ああ、私はガンで、そして噂の抗がん剤を点滴中…。
こんな経験は誰にでもできる物ではない、イヒヒ。
経験主義者としての満足感に浸る。

しかし、それにも途中で飽きてきて眠くなったのだが、点滴室のほかの患者さんの色々な先生や病院に関するお喋りがゴシップっぽくて面白く、つい耳を傾けてしまう。ここのB先生が混合診療をやっていた事などを、友達だったL先生が告発したこと。それが、今大きな問題になっていること。L先生は抗がん剤に反対しているが、XXという患者さんだってきちんと抗がん剤やっていれば助かったかもしれないわよね、などなど。B先生派の患者さんたちだろうから、L先生に批判的だ。混合診療って歯医者さんではいいけど、お医者さんはダメなのだと初めて知った。

「医療ミス」とかならイヤだが、そうじゃないので、どうでもいいやと思った。B先生は明るく説明もしっかりして細かく気を使ってくれるので、治療を楽しく受けられるし、病院は綺麗で、看護士さんたちも感じいいし、患者として他に何を望むのか?

ってか、一部患者さんたちに神のように崇められているL先生だが、私は余り好きではない。L先生の本も読み漁ったが、よかったのは最初のころの数冊。しかし、その後の本は何冊読んでも内容がほとんど同じ。「ガンになったらダメでどうせ死ぬからね。抗がん剤なんて無意味。百害あって一理なし。でも、人間は、皆、死ぬんだから、どうせなら無駄な治療で苦しまないで死にましょう」…とか言われて、ガンになりたて患者が納得できる訳がない。当時としては、抗がん剤への批判その物が、医療界に喝を入れた意味深い物だったんだろうとは思う。でも、今は抗がん剤も進歩しているし…。

…と、いろいろ考えている間に、初めての抗がん剤経験は終わった。

吐き気がすごいとか寝たきりになってしまうとか聞いたので、自分はどうなるのだろう?と興味深々だった。しかし、実際に点滴が終わると、胃カメラのため空腹で、速攻で駅前のファーストキッチンに駆け込んでセットを注文。しかもポテトは追加料金でLサイズにしてもらった。亀屋で芋羊羹と団子も買って帰った。ダイエットのため普段絶対に食べない物でも、もうガンなんだから我慢したって仕方ないさ、そのうちイヤでも痩せるだろうし、と食べまくる。

しかし、食べるだけ食べたらさすがに胃がムカムカしてきたような気がした。あと、夜、背骨の辺りがチリチリした。胸筋がビクビク引き攣って奇妙な感じだった。…でも、睡眠が妨げられる程ではなかったので、気のせいかもしれない。
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by ombres | 2004-01-28 00:00 | ファースト・ケモ