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困った病気になっちゃったひとりぼっちな人のために


by ombres
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3) 患者全員と判り合おうとするな

「乳ガン患者」という同一カテゴリーであっても、元々自分と合わない人とは何をしたって合わない。

変な人は変。
相手もこちらを変だと思っている。人生は思っているほど長くない。無理して付き合う事はない。時間の浪費だ。




たまたま患者であるという共通項があってもダメ。治療の悩みが同じでもダメ。価値観が全く違う人とそんなに簡単に判り合えたら誰も苦労しない。『ガン』はすべての障害を克服し、皆の心を一つにする魔法ではない。

最初は真っ暗闇の中で手探りなので、差し出された手の暖かさに感動もするけど、段々「違う」と思い始める。それは別に薄情なことでも恩知らずでもない。もし『ガン』という共通項がなかったら、この人とプライベートでお友達になっていただろうか?学校や職場、近所にこの人がいたとして?と考えて、「あり得ない」と思える相手とのお付き合いは長続きしないし、精神的にも無理が生じる。

患者同士のほうがより残酷に傷付け合う可能性すらある。
それは、「自分より悪い症状&不幸な人を見て安心したい症候群」の患者に顕著だ。気をつけよう。

「私はガンでも仕方ないって思っているのよ。もう十分長生きもして子供にも恵まれて。主人も治療に理解があるから良かったのよ。でも、あなたはね、まだ結婚もしてないし、これから治療だと子供も無理よね。お仕事も大変よねー。一人なんだから、頑張らないとね」

…患者会のオバサマの優しい慰め言葉だったんだけど、実はすごく残酷なことを言っているのに気付いていない。本人に悪気はないんだろうけど、何て返事していいのやら、つい薄ら笑いになってしまう。大人なので、「うへへ、そうですねー」と言っておき、なるべく距離を置くのがいい。
by ombres | 2004-02-24 00:03 | 自分を不幸にしないために