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困った病気になっちゃったひとりぼっちな人のために


by ombres
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仕事どうする?

仕事どうする?

乳がんは、体調にもよるが、通院治療ができる運の良いガンの一つだ。
だから、病気を理由に、何も諦める事はないと思う。

例えば、20代であったなら仕事を諦めて療養しても、まだそれほど社会に自分を投資していないから、新しくまた一からやり直せるかもしれない。50代、60代なら、職場でそれなりに足場を築き、もう自分の地位が安定しているだろうから、少しくらい休んでも致命的にはならないかもしれない。また、そこそこ蓄えもあるだろうから、早めの隠居生活で第二の人生を楽しんでもいいかもしれない。

しかし、これが30代、40代だと話は別だ。簡単に捨てるには惜しい程度、仕事に自分を注ぎ込んできた。かと言って、まだ「盤石なキャリア」を積み、「安泰した地位」を築いた、という程度にまでには至っていない。仕事を諦めるにも隠居するにも、どちらにも中途半端なのだ。

だから諦めてはいけない。
自分が今まで築いて来たものを捨ててはいけない。

確かに、体も大事だけれど、今までずっと仕事が好きで打ち込んできた人間がそれを手放したら、そこには何も残らない。特に独身者の場合、社会との繋がりの基盤すら無くしてしまうかもしれない。また、女性は、一度辞めたら再就職が難しい年齢になっている(最近は、男性もだけど)。仕事がなければ収入がない。治療費すら稼げなくなってしまう。「収入がなくなる」…大富豪な人以外は、そのストレスには耐えられない。「社会の誰からも必要とされていない」…大富豪でもそのストレスには耐えられない。ましてや、か弱いがん患者が「貧乏&ぼっち攻撃」に耐えられるだろうか? 

ムリ。

ガンだけではなく、誰もがいずれは死に至る。糖尿病や高血圧、生まれつきの疾患を抱えながら、事故の後遺症に苦しみながらも普通の社会生活を営む人はたくさんいる。乳がんも、ある程度はそれが可能なガンではなかろうか。社会的にも、そして患者本人たちからも、ガンだけが「死にいたる病」としてやけに暗く深刻に受け止められているように見えるが、別にそんなに特別ではないと思う。「死に至らない人」などいないし、実は「死に至らない病」の方が少数派なのではないか、とさえ思う。

「ガン」ごときに、自分の生活をかき乱されたくないし、今後も、自分の欲しい物を何一つ諦める気はない…。だから、職場にも言わないで、仕事続ける訳なのさ。第一、病気バレすると気を遣われて、腫れ物を触るようにされて、海外出張や大事なプロジェクトからは間違いなく外されてしまうし、そうして閑職まっしぐらだし、リストラなんてあったら真っ先に槍玉だし。やなこった。

…と、初発の時は思っていたし、その通りに頑張ってやってきたけど、今回は遠慮なく休みを使わせてもらおうと思った。あの時より歳とって体力なくなっているし、あれだけ馬車馬のようにストレス満載状態で何年も再発しなかったガンが出てきてしまったという事は、最近、結構、色々な所が疲れているのだ。体がガンに負けてる。

すっきり休んで、仕事を忘れて、早寝早起きしたり、ガーデニングしたり、アロマしたり、散歩したり、料理作ったり、ヨガしたり、もうやりたかったのに忙しくてできなかった事を全部やろう。そして、体力を万全にして治療に臨もう。貯めていたDVDも見よう。元気なうちに旅行もしよう。…と夢は膨らむ。

会社が休ませてくれたらなんだけど。
「ガン」なので、たぶん大丈夫。ある意味、無敵。
by ombres | 2010-08-12 20:00 | 仕事のこと